法テラス 弁護士がもっとほしい~どんな弁護士が?2006年10月16日

朝日新聞の本日付社説ですが, 法テラスの制度設計の問題点について検討はしたのでしょうか?。

全国各地にくまなく弁護士を行き渡らせるためには、欧米に比べて極端に少ない法曹人口を増やす必要もある。

司法制度改革では、合格率3%ほどだった従来の司法試験にかわり、法科大学院の修了者を対象にした新試験が始まった。合格率は48%に上がった。合格者枠は今年の約1千人から少しずつ増やし、10年には3千人程度になる見通しだ。

だが、それで足りるかどうか。合格者の人数枠にとらわれることなく、一定の水準に達していれば合格させたらどうか。社会に出て法律家として役に立たなければ、転職するだろう。

「一定の水準」としてどの程度のものを要求されているのでしょうか?一定の水準の設定次第では,合格者が1000人となった,という事態も生じうると思うのですが。

法テラスを血管だとすれば、そこを流れる血液が法律家だ。末端にまで十分に行き渡るだけの量を、一日も早く確保したいものだ。

法律家という人を血液というモノ扱いしないでほしいなと思います。なぜ法テラスに弁護士が行こうとしないのか,法テラスがどんな性格を持ったものなのか,きちんと検討してほしいものです。

金剛山歌劇団の会場使用許可取り消し 岡山・倉敷市2006年10月16日

http://www.asahi.com/national/update/1016/OSK200610160027.html

岡山県倉敷市の市民会館で今月26日に開かれる予定だった在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)系の金剛山歌劇団の公演について、倉敷市は16日、会場の使用許可を取り消すと発表した。北朝鮮による核実験問題で右翼の街宣車による抗議活動による混乱が予想されるため、市民の安全確保を優先したとしている。

市によると、同公演には9月15日付で使用許可を出していた。だが、今月初めまでに右翼団体の街宣車が市役所周辺を巡回して「会場を貸すな」と抗議行動があったという。北朝鮮による核実験発表もあり、右翼団体の抗議行動の活発化が予想され、市民会館周辺の住民から不安の声も寄せられたため、使用許可の取り消しを決めたという。

金剛山歌劇団は1955年に在日朝鮮中央芸術団として創設、民族舞踊などの公演を内外で開いている。倉敷市でも隔年で公演していた。同県内の在日朝鮮人らでつくる公演の実行委員会は16日、倉敷市に使用許可取り消しの撤回を申し入れるとともに、岡山地裁に使用許可取り消しの取り消しを求める仮処分を申し立てた。

今回の倉敷市の処分は,1996年(平成8年)3月15日最高裁判決に照らし合わせれば違法なケースではないでしょうか。

朝鮮本国の政治がひどいものであるとしても,現在日本でくらしている在日朝鮮人の人たちに罪があるわけではありません。彼らの芸能活動の自由は保障されるべきです。

また,朝鮮本国の政治がひどい状況である今こそ,日本での生活は朝鮮での生活に比べてこんなによいものであるということを在日朝鮮人の人たちに実感してもらって社会の安定を図るチャンスでしょう。むしろこうした文化活動は今こそ促進されるべきものです。「右翼団体」の人たちも,妨害行為に出るのではなく,日本古来の文化や芸術を盛んにする運動にいそしんではどうなんでしょうかね。