弁護士激増・新法曹養成制度導入決定の経緯とは2007年03月27日

呼びかけ人の一人として,誤解は解いておかなければなりませんね。

黒猫さんのブログで取り上げていただいたとおり,4月3日に下記に記載するような集まりを開く予定にしています。ただ,弁護士有志が呼びかけて開くもので,弁護士会や日弁連の行事ではありません。

また,上記ブログのコメント欄で,弁護士会は増員に賛成しておきながら何をいまさらという旨のコメントがなされていましたが,増員や新法曹養成制度の導入は,弁護士界がこぞって賛成したものでは決してありません。

弁護士の年間3000名への増員というのは,司法制度改革審議会での議論の中で2000年3月に元日弁連会長の中坊公平委員が打ち出し,その後同年8月に,当時の日弁連会長が受け入れを同審議会で約束したもののようです。その後2000年11月1日に開かれた日弁連臨時総会で,増員と,法科大学院を中心とする新たな法曹養成制度の導入及び法曹一元・陪審制の導入という3項目を内容とする議題がかけられました(経緯についてはこちらのページを参考にしました。)。

当時私もこの総会に出席しており,焦って議決をとるべき問題では決してないと思ったのですが,日弁連執行部は,増員問題についての発言要望がまだ残っており,新たな法曹養成制度についての意見が全くといっていいほど戦わされない段階で討論打ち切り,議決へとなだれこんだのです。

議決の結果は,賛否の割合が約2対1で可決,というものでした。決議内容はこちらになります。

私は当時,増員の可否についてはよく分からないが,法科大学院の義務化は絶対にあかんだろうと思っていました。法科大学院というプロセスの義務化は参入阻害要因以外のなにものでもなく,法曹の輩出源の多様性を損なうからです。また,文部省の所管下にある大学院に行かなければいけないなんて,プロセスによる法曹養成ではなく,プロセスによる法曹統制ではないかとも感じました。

今回の集会の呼び掛け文は以下のようなものです。激増見直しが中心に置かれたような文面になっていますが,私自身は,現在進行中の「司法改革」で最悪のものは新法曹養成制度だと思っています(「激増」(単なる「増員」とは異なります。)にも今では反対です。)。現在は激増と新法曹養成制度がセットになって進んでいるので,両者を一括して捉えるという考え方が呼び掛け人の間でほぼ共通認識となっていると思います。

なお,集会の進行については確定したものではありません。

関東圏50期代の皆さん、集まって声を挙げましょう!

弁護士激増・新法曹養成制度の見直しを求める集い

呼びかけ 弁護士激増の見直しを求める有志

私たちはもう黙っていられません。ワーキングプアロイヤー。2010年に3年も残して今秋早くもパニックが起きます。3000人? いったいどうなるのでしょうか。どうすればよいのか。みんなで話し合いたい。集会なんてとおっしゃらずちょっと覗いてみて下さい。お一人でもお見え下さい。バラバラからかたまりになって、激増見直しの声を挙げましょう。法曹養成のあり方もご一緒に考えましょう。

会場 東京・霞ヶ関 弁護士会館1006号室

日時 2007年4月3日(火) 午後6時から8時30分まで

進行

報告

○ 激増がもたらしている弁護士業務の現状(各地弁)

○「3000人増員見直し決議」の報告(愛知県弁)

討論 私たちは今何をなすべきか