代理出産~自分が代理母になる場合はどうなんだろう?2007年06月22日

代理出産容認54% 自分なら利用10% 厚労省調べasahi.com

生殖補助医療について厚生労働省が実施した国民の意識調査で、子どもをほかの女性に産んでもらう代理出産を「社会的に認めてよい」とした人が54%にのぼったことが21日わかった。「認められない」は16%にとどまった。代理出産の是非などを巡っては、厚労省などの依頼で日本学術会議が年内にも結論を出す予定で議論を進めており、今回の調査結果は影響を与えそうだ。

調査は3月、一般国民(20~69歳の男女)5000人と小児科や産婦人科の医師らを対象に行った。

アンケートを取る際の情報の提供の仕方はどんなものだったのでしょうか。

代理出産については依頼者となる女性の側の卵子排出時の苦労の問題や,代理出産する女性の側の身体の危険,代理出産する女性に契約上課せられる種々の制約,代理母が出産経験者の場合の,既に生まれた子どもの精神に与える影響など,代理出産の具体的実態について知らされた上で調査しなければ,単に「子どもがほしいけどできない人がいるからかわいそう」という感情から賛成する人が増える気がします。

アンケートに当たっては,例えばこちらのページに書いてあることくらいは読んでもらうべきだったように思います。

代理母/代理母出産/代理出産arsvi.com

さて、妊娠期間中、代理母は妊婦服を買う費用として 200ドルを受け取る。交通費として 1.6キロメートルごとに15セントが支払われる。出産経費をカバーする医療保険に入るかどうかは代理母側の責任とされている。

人工授精は6月カ間、月2回、妊娠しなかったら計画からはずされ、新しい代理母に この場合、報酬は受けない 流産した場合も報酬はなし 死産の場合は契約を完了したとみなされる ……

ところでこの調査,記事の以下の部分を見ると,自分が代理出産を依頼する側に回ることだけ考えさせているかのようにも見えます。

ただ、自分が子どもに恵まれない場合の代理出産については「利用したい」が10%、「配偶者が賛成したら利用したい」が41%。これに対し「配偶者が望んでも利用しない」も48%おり、より慎重な傾向がうかがえた。

代理出産をしてもらう女性は誰がいいか(複数回答)は「姉妹」が38%で最も多く、「分からない」が34%。「仲介業者から紹介される女性」28%、「母親」16%だった。

この調査って,まじめに考えさせるのであれば,自らが頼まれる側になった場合の賛否についても問うべきように思うのですが・・・。そもそも日本でできないから外国に行って行うのはおかしいというのが容認論の理由の一つだったのだから,代理出産が容認されるということは,自分が依頼される側に立つこともありうるということなのですが・・。

新聞記事から見る限りでは,この調査で代理出産を認めるべきという結論を出すのはいかがなものかという気がします。

また,仮に一定の場合に代理出産を認めるとしても,代理出産で生まれた子どもの戸籍上の取扱いについては,既に述べたように,依頼者の実子としての届出を認めるべきではないでしょう。