議員宿舎は目の敵にされるようなものか?2007年08月17日

今朝テレビを見ていたら,ワイドショーで参議院議員宿舎の建替え問題が取り上げられていた。

この新宿舎については,紀尾井町の建設予定地が東京都風致地区条例に定める風致地区となっており,多くの緑があることから,建設反対運動も起きている(反対運動のページはこちら)。

確かに風致地区に地上16階 地下2階 高さ56メートルの建物を建てるということは疑問だ。

ただ,番組のリポーターは,そのことを超えて,新議員宿舎の建設自体,更には議員宿舎の存在意義自体を疑問視するような論調に誘導していこうとする風だった。

番組では,議員宿舎については,都心の一等地に低廉な賃料で住めることが批判を浴びている。そして,賃料補助で代替するとの方法もあるとの解説がレポーターからなされていた。

でも,議員に充実した活動を送ってもらうためにも議員宿舎は必要ではないか。

賃料補助で代替というが,初当選から数日後に初登院となる議員に,その間に東京での住居を探せというのだろうか。そんな手間を取らせるよりは国政に専念させた方がよいのではないだろうか。

企業だって会社が住宅を借り上げて従業員に安く貸し付ける仕組みを持っているところがある。

議員秘書だったころ,旧赤坂宿舎に行ったことがある。新赤坂宿舎の建設はメディアにさんざん批判されていたが,旧赤坂宿舎は古いし暗いし寒そうで,いくら庁舎の一部という扱いとはいっても,これでは議員が気の毒だと思ったものだった。

新宿舎についてその内容を見ると,何もジムまで作らなくてもと思わないでもないが,会期中は週5日(泊まるのは4泊だが)東京にいることや,旧宿舎建設当時との住宅事情の違いを考えれば,3LDKだから豪勢とまでは言えないのではないかと思う。新参議院宿舎についても同様だ。

家賃が安すぎるという声もあるが,ではお金のある人しか議員活動ができなくなってもよいのだろうか。きちんと政治活動をやってもらうための施設という性格を徹底するのであれば,9万2000円という額(新赤坂宿舎)も結構な額であり,むしろもっと安くすることを考えてもよいのではないか。

国会議員に無駄なコストがかかっていないかチェックすることの意義を否定はしないが,コストを払っているのだからしっかり政治活動をやってくれという観点で監視していく方が前向きでよいのではないだろうか。