法相,閣議後記者会見でも弁護士激増に疑問を呈する2007年09月04日

閣議で議論されるまで行くとおもしろいのですが。

鳩山法相「そんなに弁護士いらない」法曹人口拡大に異議YOMIURI ONLINE

鳩山法相は4日の閣議後記者会見で、司法試験合格者数を年3000人程度まで増やすとした政府方針について、「日本は訴訟社会ではないので、そんなに多数の弁護士はいらない。政府方針であっても、必要があれば直していけばいい」と述べ、3000人より減らすべきだとの考えを明らかにした。

法曹人口の拡大は司法制度改革の大きな柱だけに、法相の発言は議論を呼びそうだ。

法相はまた、法科大学院側から「新司法試験の合格率を向上させるため、3000人より増やすべきだ」との声が上がっていることについて、「法科大学院の経営がうまくいくかどうかは優先的事項ではない。優秀な人が司法試験に通ればいい」と語り、合格率の低下で大学院間の生き残り競争が激しくなるのはやむを得ないとの認識を示した。今年の司法修習生で卒業試験の不合格者が71人と多数に上ったことに関しては、「(修習生の増加で)質が低下している可能性がある」と言及した。

(2007年9月4日14時39分 読売新聞)

法曹人口年間3000名を明記した司法制度改革審議会最終意見書は閣議を経ていたはずですから,正式に修正するためには閣議を経なければなりません。政治主導で修正されればよいのですが,そうでないと省庁間の調整を経ることになります。すぐに修正するというのはなかなか困難かもしれません。

ただ,閣僚(しかも司法制度改革審議会最終意見当時の与党)の中からこのような意見が出てきたことは注目に値します。

日弁連は司法制度改革審議会の路線に追従し,年間3000名を唯々諾々と受け入れてきましたが,その前提条件である受入れ先の増大が虚構に過ぎなかったことはこの1年間で身にしみて感じたはずです。この機を逃さずに増員見直しに舵を切る時ではないでしょうか。

弁護士激増時代がやってくる!?~どうする、どうなる法曹人口問題