日弁連法務研究財団が法科大学院認証評価事業を行うことは?2008年01月16日

日弁連法務研究財団なるところから,督促状が来た。

法科大学院における弁護士の「マインドとスキル」の要請に関する意見調査の回答書がまだ来ていないというものだ。

法科大学院の認証評価に当たっての参考にするためのものらしい。

法科大学院なんて「プロセスによる法曹統制」ではないかと批判している私に対してこんなアンケートを送ってくるとはいい度胸しているな,っていうか,本当に無作為抽出なんだな>財団

付属していた財団の紹介資料を見る。

認証評価評議会,異議審査委員会の委員は全員男性。評価報告書の作成を担当する評価委員会は,2005年12月現在で26名の委員中女性とおぼしき名前は4名。女性の割合は15.38%。

十数年前に,政府の審議会の委員の割合を15%にするという目標が掲げられたことがあって,それとの対比だと評価委員会だけはかろうじてクリアしているけど,人権団体を標榜する日弁連の関連組織がこんなんでよいのだろうか。まあ,認証評価事業への評価が女性の間では低かったということかもしれないが・・・。

男女共同参画度が低いのは別として,認証評価機関になるということは,文部科学省による監督を受けることになるのだが(学校教育法69条の4,69条の5),この点は問題視されなかったんだろうか。弁護士会とは別の関連団体だから問題ないということなのだろうか。

仮に認証取消しにまでは至らないにしても,官庁による報告徴収への対応ってかなり面倒で,それがなければ他の業務に割けた人員をかなり取られることになる。認証評価事業ってそれだけの価値がある事業なんだろうか。自己満足と利権のために多大な労力が費やされているということにはならないんだろうか。

学校教育法

第69条の4 認証評価機関になろうとする者は、文部科学大臣の定めるところにより、申請により、文部科学大臣の認証を受けることができる。

2 文部科学大臣は、前項の規定による認証の申請が次の各号のいずれにも適合すると認めるときは、その認証をするものとする。

1.大学評価基準及び評価方法が認証評価を適確に行うに足りるものであること。

2.認証評価の公正かつ適確な実施を確保するために必要な体制が整備されていること。

3.第4項に規定する措置(同項に規定する通知を除く。)の前に認証評価の結果に係る大学からの意見の申立ての機会を付与していること。

4.認証評価を適確かつ円滑に行うに必要な経理的基礎を有する法人(人格のない社団又は財団で代表者又は管理人の定めのあるものを含む。次号において同じ。)であること。

5.次条第2項の規定により認証を取り消され、その取消しの日から2年を経過しない法人でないこと。

6.その他認証評価の公正かつ適確な実施に支障を及ぼすおそれがないこと。

3 前項に規定する基準を適用するに際して必要な細目は、文部科学大臣が、これを定める。

4 認証評価機関は、認証評価を行つたときは、遅滞なく、その結果を大学に通知するとともに、文部科学大臣の定めるところにより、これを公表し、かつ、文部科学大臣に報告しなければならない。

5 認証評価機関は、大学評価基準、評価方法その他文部科学大臣の定める事項を変更しようとするとき、又は認証評価の業務の全部若しくは一部を休止若しくは廃止しようとするときは、あらかじめ、文部科学大臣に届け出なければならない。

6 文部科学大臣は、認証評価機関の認証をしたとき、又は前項の規定による届出があつたときは、その旨を官報で公示しなければならない。

第69条の5 文部科学大臣は、認証評価の公正かつ適確な実施が確保されないおそれがあると認めるときは、認証評価機関に対し、必要な報告又は資料の提出を求めることができる。

2 文部科学大臣は、認証評価機関が前項の求めに応じず、若しくは虚偽の報告若しくは資料の提出をしたとき、又は前条第2項及び第3項の規定に適合しなくなつたと認めるときその他認証評価の公正かつ適確な実施に著しく支障を及ぼす事由があると認めるときは、当該認証評価機関に対してこれを改善すべきことを求め、及びその求めによつてもなお改善されないときは、その認証を取り消すことができる。

3 文部科学大臣は、前項の規定により認証評価機関の認証を取り消したときは、その旨を官報で公示しなければならない。

コメント

_ h ― 2008年01月17日 14時30分36秒

ジェンダーバランスの点でいうならば,理事者や委員長の率も,もっと女性の比率を増やす必要がありますね。
そういえば「○○の会」ルートからの副会長はY先生でフィニッシュですか。女性の副会長はまだ登場しませんね。

_ ノムラ ― 2008年01月19日 14時20分22秒

>hさん
>ジェンダーバランスの点でいうならば,理事者や委員長の率も,もっと女性の比率を増やす必要がありますね。

二弁では「男女共同参画に関する常議員会決議」なるものを行い,理事者に占める女性弁護士の割合に30%という高い数値目標を掲げていますが,女性が手を挙げやすいような環境作りがいろんな面で必要になってくるでしょうね。

http://niben.jp/info/opinion/20060220_1.pdf

>そういえば「○○の会」ルートからの副会長はY先生でフィニッシュですか。女性の副会長はまだ登場しませんね。

どうなんでしょうかねえ,動きが分からないのもまた乙なものかと(^^;)。ちなみに「○○の会」ではなくて「□□□□・□□の会」です,ってなかなかそう呼んでくれないのですよね・・。

_ h ― 2008年01月19日 18時36分42秒

あ。私の○○は全国レベルの「○○の会」の○○ではなく,「□□□□・□□の会」の「□□の会」部分だけの略称のつもりでした(って,ほとんどわかんない)。

そうですよね。ある程度呼び水になるような施策が必要ですね。
案として,副会長になっている間の事件を手伝うというのもありましたが,手伝って失敗してもなぁ(^_^;)。むしろ家のことのお手伝いだったらば(笑)。

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