延期することの意義2008年03月05日

新潟県弁護士会で,裁判員制度実施延期に関する決議が採択されたようですね。

裁判員制度「数年延期を」、新潟県弁護士会が決議(NIKKEI NET)

新潟県弁護士会、裁判員制度の実施延期求める決議(YOMIURI ONLINE)

裁判員制度の延期を決議 新潟県弁護士会(asahi.com)

延期ではなくて廃止を求めるのが筋道では?という考え方もありましょうが,いったん決まった法律の施行時期が延期されるというのは極めて重大なことです。

制定された法律は,施行に向けて関係者が労力をかけて努力をしていきます。延期されても次の期限に向けて努力は続けられるのかも知れませんが,努力の継続は大変なことであり,それだけの努力を続ける意義があるのかという声が関係者の中にも大きくなることは確かです。しかも,いったん決まった実施時期が延期されるということは,場合によっては再延期や廃止の可能性もあるということですから,施行に向けての動きが停滞することにもつながります。

このように,実施延期は,運動論としては非常に大きな意義を持つものであり,それだけに,推進論者の抵抗も激しくなる(現に,埼玉と仙台では決議案が否決された。)ものと言えるでしょう。