本気で推進する気がないのでは?2008年05月22日

相変わらずですなあ。

鳩山法相が「IT法廷」視察…「機械ばかり頼るな」注文もYOMIURI ONLINE

裁判員制度の施行日までちょうど1年となった21日、鳩山法相が東京地裁を訪れ、裁判員に分かりやすい審理のために大小のテレビモニターなどを導入した「IT法廷」を視察した。

(中略)

自ら裁判員席にも座り、「ここで法廷を見渡す裁判員にはすごく緊張感があるだろう。その経験を通じて司法制度や犯罪に興味を持てば、それは最高の法教育になり、治安の改善にも役立つ気がする」と制度の意義を語っていた。

(2008年5月21日13時22分 読売新聞)

国民に他人の人生を決める重大な選択をさせることについて「最高の法教育」などと正当化するとは。物事を学ぶ機会を与えてやっているのだという上から目線のトンデモ発言であり,国民の反発を高める効果しかないような発言のように思います。法相や法務省の本音が出たということなのでしょうか。そうだとすれば,裁判員制度はやはり被告人のためのものではないことが一層明らかになったものであり,弁護士としては反対すべきもののように思うのですが・・・。

まあ,鳩山法相も政治家ですから,発言については何らかの意図があって行っていると見るべきかもしれません。そうすると,このように国民の反発を買いかねない発言をすることによって,裁判員制度に対する反発を高め,制度導入を困難にすることを狙ったのかもしれませんね。だからといってこの法相発言が非難を免れるものではありませんが。