修習の可視化も必要なのでは?2008年06月19日

司法修習生、取り調べや刑務所の様子ブログに 長崎asahi.com

長崎市で実務修習をしている20代男性の司法修習生が、自身の日記をつづったブログに取り調べや刑務所見学、司法解剖の立ち会いの様子や感想など、修習の内容を書き込んでいたことがわかった。修習生を受け入れている長崎地裁は「書き込みが、裁判所法が定める守秘義務違反にあたる可能性があり、調査したい」としている。

(中略)

書き込みの中には、取り調べの実習の様子を記したものがあった。「はじめて取調べやりました。相手はばあちゃん。途中から説教しまくり。おばあちゃん泣きまくり」「なんで若造がばあちゃんを説教してるのか。なんとなく、権力というか、自分の力じゃない力を背後に感じた」などと被疑者の性別や年齢が明かされていた。

また、刑務所を見学した際には「工場で作業をしている受刑者たちは、なんだかロボットのよう。何を考え生きているんだろうか」「いま自分が取り調べ中の被疑者は、刑務所出所後5日目に、また犯罪行為に出た人で、この人は刑務所でしかうまく生きていけないんじゃないかと感じた」などと、受刑者や被疑者について触れている。

私自身修習時に修習記をウエブにアップしており(今も存在しています。),その際には守秘義務との関係でかなり気を使った覚えがあります。そのためかどうか,かなり抽象的でおもしろみのない修習記になってしまいましたが。

ところで,守秘義務によって守るべき「秘密」というのは,司法研修所当局や実務修習庁が秘密と言ってしまえば即それ=秘密に該当するというものではありません。秘密にするだけの実質的な必要性が必要なのです。

上記の朝日記事で,ブログで触れられていた事項として挙げられていることについても,それが本当に守られるべき秘密なのか否か,慎重に検討する必要があるでしょう。上記記事で挙げられている項目の中であえて問題視するとしたら,被疑者の出所歴についての記載くらいではないかと思いました。少なくとも,検察庁で修習生が取調べを行い,被疑者に説教していること自体が秘密だなどという判断はできないと思います。

捜査段階の可視化が叫ばれる昨今,司法修習の現場についても,一定程度の可視化がなされてもよいのではないでしょうか(ただ,無限定の可視化は,修習生に対する締め付けにつながる可能性もある点で注意が必要です。ここのところ,捜査については無限定の可視化が原則なのと異なる。)。