弁護士の「就職難」の状況は?2008年06月29日

弁護士の就職状況についての調査結果が発表されましたね。

弁護士の卵も就職難?未定者が倍増、日弁連調査MSN産経ニュース

 司法試験に合格し、今年末までに修習を終える司法修習生のうち、弁護士を希望しながら就職先が決まっていない人が263人いることが25日、日弁連のアンケートで分かった。 前年同期の未決定者は134人で、約2倍に増加。司法制度改革で弁護士数は増加を続けており、日弁連は弁護士事務所などに採用を増やすよう働き掛ける。 アンケートは4~5月に修習生約2400人に実施、1041人から回答があった。 日弁連は「昨年は最終的になんとかほぼ全員が就職できたが今年はより厳しい状況。就職への働き掛けを強めたい」としている。

弁護士の「就職難」加速=未定者、前年の倍に-日弁連時事ドットコム

今年末までに修習を終える司法修習生へのアンケート調査で、「就職先は未定」と回答した人数が、昨年同時期の2倍に増えていることが25日、日弁連の調査で分かった。修習生約2400人のうち、現時点で約500人の就職が決まっていないとみられ、弁護士の就職難が加速している実態が明らかになった。

司法試験合格者は1000人程度で推移していたが、法曹人口を増やす方針に基づき年々増加。就職難が予想されていた昨年の新人弁護士は、日弁連が積極採用を呼び掛けた結果、大半が就職先を決めたが、その分のしわ寄せが今年に及ぶと予想されていた。

弁護士希望の25%、就職先が決まらず北海道新聞

年内に司法修習を終え、弁護士を希望する修習生のうち、四人に一人は就職先の決まっていないことが二十五日、日本弁護士会連合会のアンケートで分かった。昨年同期と比べ、未定者は約二倍の割合で、厳しい就職状況が浮き彫りとなった。

四-五月、修習生約二千四百人に行い、千四十一人が回答した(回答率43・7%)。弁護士希望者で「就職先は未定」と答えたのは25%で、昨年同期の13%からほぼ倍増した。

弁護士のブログで主に取り上げられている産経ニュースの記事に載っている263人という数字は,アンケートに回答した1041人の内数ということのようです(知合いの方から,日弁連に問い合わせた結果を教えていただきました。)。

修習生全体ではどれくらい未決定者がいるかを単純に回答者と修習生の比率をもとに計算すると,

263×2400÷1041=606人となります。

また,日弁連の推計によれば(法律事務所の弁護士求人アンケート【2007】分析結果と対策)(PDF),新旧61期の司法修習生のうち弁護士志望者は2150名とのことでしたから,弁護士志望者と回答者との比率をもとに未決定者数を計算すると,

263×2150÷1041=543人となります。

時事通信配信記事の約500名というのが,実態をよく示すものではないでしょうか。

就職が決まっていない人の方がアンケートに回答しない率が高いのではないかと思われるので,実際の未決定者数はもっと多いかもしれません。

ちなみに,昨年同時期のアンケートでは134人が未決定者ということであり,回答者中の13%ということでしたから(前記北海道新聞記事),昨年のアンケート回答者数は

134÷0.13=1031

と,今年の回答者数とほぼ同じということになります。

昨年は60期が何とかほぼ全員就職(即独,ノキ弁,宅弁等も含む)できたという状況を前提に(日弁連の発表によれば未登録者数はほぼ例年と同率だったということ,しかしながら数の面では20~30人未登録者が存在することから,このように仮定します。), 昨年に比べどれだけ多くの修習修了者が修習未登録者数がでるかを計算すると,

(263-134/1031*1041)×2150÷1041=263.7

となり,昨年に比べ約260名多い者が最終的に就職できない(即独,ノキ弁,宅弁等を除く。)計算になります。修習生数を仮に2400名とすると1割強が,修習を終了したものの就職できないという計算になります。

法曹界にとっては戦後初の事態でしょうし,一般の失業率に比べてもかなり高い値となることは確かです。

このような厳しい就職状況に対する日弁連執行部らの考え方はどうなのでしょうか?

日弁連執行部では今年7月をめどに,司法試験合格者数についての暫定的提言を発表する予定としているようです

先日,その提言案等について,弁護士会の昼食会なるところで目にする機会があったのですが,奥歯にものの挟まったような物言いしかしていないんですよね。

しかも,その昼食会に出席している御歴々の口からでる発言も,今ひとつ危機感が足りないように感じられるものが多かったような気がします。未だに「司法改革」マンセーな人がいるのにもびっくりしました。

この辺のことについては別稿を立ててみたいと思います。