「司法におけるジェンダー・バイアス【改訂版】」出版記念シンポジウムのお知らせ2009年12月03日

私の属している第二東京弁護士会両性の平等委員会の「ジェンダー問題諮問会議」のメンバーが中心となって作った本の出版記念シンポが以下のとおり開かれます。

参加希望の方は第二東京弁護士会人権課(担当:鳥海)までお問い合わせください。(TEL03-3581-2257)

「司法におけるジェンダー・バイアス【改訂版】」出版記念シンポジウム

日 時:平成21年12月10日(木)18時~20時

場 所:弁護士会館1003会議室

参加費:無 料

~プログラム~

第1部 法科大学院におけるジェンダー法教育の模擬授業

~会場参加者によるグループディスカッションと講評~

講師:長谷川卓也(大宮法科大学院大学非常勤講師/両性の平等に関する委員会)

第2部 司法にジェンダーの視点を~本書執筆者によるパネルディスカッション~

パネリスト

江 原 由美子(首都大学東京大学院人文科学研究科教授)

大 村 芳 昭(中央学院大学法学部教授)

宮 園 久 栄(東洋学園大学人文学部教授)

小 倉 京 子(両性の平等に関する委員会 委員 弁護士)

コーディネーター :菅 沼 友 子(両性の平等に関する委員会 委員 弁護士)

二回試験不合格率減少と日弁連会長選挙2009年12月16日

http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/091215/trl0912152217020-n1.htm

昨日司法研修所の二回試験の結果が発表されたようですね。

上記産経記事によれば,不合格者は75名,受験者全体に占める割合は3.6%とのことです。

一昨年から2年連続して不合格率が落ちているので,増員維持派は活気づくかも知れませんが,本当に弁護士激増を(ペースダウンするとしても)このまま進めていいんでしょうかね?昨年同時期の記事でも述べましたが,弁護士激増の問題点は「質」うんぬんではなく競争激化による無理な事件化のおそれにあると思うので,二回試験不合格者が増えなくても(いや,そのことにより法曹になる人が増える分だけ)問題が生じてくるおそれは高まるのではないでしょうか。激増は直ちに見直すべきように思います。

また,法科大学院関係者の中には,教育の成果が現れたと主張する人も出てくるかもしれませんが,そうだからといって,司法試験受験資格を法科大学院修了者に限るべきとする根拠にはならないと思います。特に従前から主張しているように,法科大学院が文部科学省の(間接的とはいえ)統制下にあるということを考えれば,その統制から自由に法曹をめざす途は広く開かれているべきでしょう。

ところで,来年の2月に日弁連の会長選挙が行われる予定となっています。今のところ立候補をめざしていると思われる人は私の知っている範囲で3人いるのですが,そのうちの1人の支持母体と思われる団体の政策の中に,弁護士増員の見直しの根拠として「質」の問題が挙げられています。

法曹(というか,司法試験合格者)の質は二回試験の合否結果で図れるという考え方と,二回試験の合格水準が従前から不変であるということを前提とした場合,今回の不合格率の低下は,司法試験合格者の増加によっても司法試験合格者の質は変わらないという考え方の根拠に使われそうです。

まさか今回の不合格率減少が上記候補を追い落とすための政策的なものということはないでしょうが,今回の結果は,少なくとも「質」の問題を前面に出して増員見直しをとなえた候補は対応に頭を悩ますことになるでしょう。

神世界事件で24人が追加提訴2009年12月26日

有限会社神世界及びそのグループ会社並びに会社役員らに対し,その被害者ら24人が東京地裁に昨25日損害賠償請求訴訟を提起しました。

http://www.47news.jp/CN/200912/CN2009122501000640.htm

ヒーリングサロンを装った有限会社「神世界」(山梨県甲斐市)グループの霊感商法事件で被害を受けたとして、新たに10都道県の30~60代の男女24人が25日、神世界と関連会社などに計約7400万円の損害賠償を求め東京地裁に提訴した。

神世界被害対策弁護団によると、集団提訴は今年5月に続いて2回目。原告数は計41人、請求総額は約2億4千万円になった。

訴状によると、グループは、警戒心を持たれないヒーリングサロンを装って被害者を誘い込んだ上で「御祈願をしなければがんが治らない」などと迫り、現金をだまし取った、としている。

弁護団の紀藤正樹弁護士は「グループによる被害は予想以上に深刻で、泣き寝入りする人を出さないよう新たな提訴に踏み切った」と述べた。

なお,神世界に対する第1次集団提訴による訴訟については,2010年2月3日午前10時10分から次回期日が開かれることとなっています(東京地裁611号法廷)。