政治主導と閣議決定 ― 2010年03月12日
司法試験合格者数3000名というのは,司法制度改革審議会意見書ではなく,閣議決定で決められたことのようですね。
ところで,自民党政権下での閣議決定って,民主党政権下でも拘束力を持つんでしょうか?
そもそも閣議決定が拘束力を持つというのは,閣議が各省庁のトップである大臣の集まりであり,そこで決められたことは各省庁間の合意事項ということになるので,その後に各省庁が所管の法律を作ったりする際に拘束されるようになる,ということです。
つまり行政庁の役人がいろいろ立案しようとする際に,他省庁との仁義で配慮しなければならないというものなのです。
ですから,従前の閣議決定に政治家が縛られるいわれは,そもそもないものです。ただ,これまでは,大臣はほとんどの場合,官僚が作ってきた合意事項に乗っかって閣議でも物事を決めてきたので,従前の閣議決定が事実上の拘束力を持ってきたにすぎません。
ところで民主党中心の現政権下では,政治主導ということが言われています。司法試験合格者数の問題についても,従前の閣議決定にとらわれることなく,3000人という数を政治主導で減らしていくことは可能なはずです。
新会長には是非とも合格者数減に向けた働きかけを行っていただきたいものです。
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