調査不足かそれとも・・・2010年05月13日

5年目の新司法試験、最多の8163人挑戦YOMIURI ONLINE

法科大学院の修了生を対象にした新司法試験が12日、東京など全国7都市の12か所で始まった。

短答式試験と論文式試験が4日間の日程で行われる。新試験の実施は5年目で、受験者は過去最多の8163人。合格発表は9月9日に行われる。

法務省の司法試験委員会は今回の合格者数の目安を2900~3000人としており、合格率は3割台になる見通し。

昨年の合格者数は「目安」とされた数(2500~2900)をかなり下回る2135人(新司法試験2043人,旧司法試験92人)だったわけですが,今年は当初の目標(司法制度改革推進計画(平成14年3月19日閣議決定))のラインまで持ってくるのでしょうか。

法曹養成制度に関する検討ワーキングチームでの議論が激増維持派優位に進んでいるのか,はたまた読売の調査不足か。とりあえず備忘のために書き留めておきます。

総量規制で経済収縮?2010年05月17日

改正貸金業法、専業主婦は借り入れ困難 「無収入」理由

多重債務を防ぐ改正貸金業法の施行で、6月以降、無収入の専業主婦(夫)は、消費者金融からの借り入れや、クレジットカードのキャッシング利用が難しくなりそうだ。無収入でも配偶者の同意書などを提出すれば借りられるが、業界大手は事務処理の費用がかかることなどを理由に専業主婦には貸さない方針のためだ。業界では、400万人以上が新規借り入れが出来なくなるなどの影響を受けると見ている。

これによって経済が収縮するといった見方(ボ2ネタ)も出ていますが,どうなんでしょうかね。

貸金業法が改正され金利の上限が利息制限法同様年15~20%となったわけですが,これでも現在の経済成長率を考えると遙かに高いもので,所得の上昇がなかなか見込めない昨今では,それだけの率の利息を払っていくのも困難でしょう。無理に利息の支払を継続し,不足分を補おうと借り増しすれば更なる利息の負担を招き,生活費の支出も圧迫されます。そのような生活を続けるよりは,いったん自己破産・免責により債務を帳消しにしてもらった方が消費の増大・維持につながるのではないでしょうか。

そもそも収入を上回る支出という事態が起こらずに済む生活をするような消費者教育が第一のような気もしますし,不慮の事態でそのような状況に陥った人の救済のための小口融資って,市民(国民)の生活保障ということですから,本来は公の仕事であり(現に小口融資を行っている地方自治体も存在します。),貸金業者の経営に配慮した法制度を維持することで達成しようとするようなものではない気がします。

○○を使っていない,という表示2010年05月17日

消費者が知りたいと思ったことでもその希望が誤った認識に基づくものである場合には表示してはだめということでしょうか。

口蹄疫に関する不適切な表示について(PDF)

4月20日以降、宮崎県の農場で飼養されている牛・豚などの、口蹄疫の患畜及び疑似患畜が確認されている件について、当庁では、消費者に根拠の無い不安を与えることがないよう、別添のとおり、食品関連事業者に対し、適切な表示を行っていただくよう要請する文書を作成し、HPに掲載いたしました。

別添文書の内容は以下のとおりです。

食品関連事業者の皆様へ

○4月20日以降、宮崎県の農場で飼養されている牛・豚などについて、口蹄疫の患畜及び疑似患畜が確認されていますが、感染が疑われるとの報告があった時点で家畜の移動が自粛されており、口蹄疫にかかった家畜の肉や牛乳が市場に出回ることはありません。

○口蹄疫は、偶蹄類の家畜(牛、豚など)や野生動物(シカなど)が感染する病気であり、人が感染することはなく、牛肉や豚肉を食べたり牛乳を飲んだりしても人体に悪影響はありません。

○安全上の問題はありませんので、飲食店・小売店において「宮崎県産の牛肉は使用していません」との表示を行うなど、消費者に根拠の無い不安を与えることがないよう、適切な配慮をお願いします。

○事業者の皆様におかれては、口蹄疫に関する正しい知識に基づき、適切な表示を行っていただくようお願いします。

平成22年5月17日

消費者庁

「宮崎県産の牛肉は使用していません」というのは,いわばネガティブな原産地表示といえるもので,実際に宮崎県産牛肉が使用されていなければ,本来は不当表示とはいいにくいものです。「適切な配慮」を求めるにとどめているのもそのような事情からでしょう。

ところで,このような表示が消費者に与えるおそれのある「根拠の無い不安」というのは,特定の産地で作られた牛肉が身体に害を及ぼすかもしれないというものです。しかしそのような不安は,小売店や飲食店がそのような表示をすることで生じるものなのでしょうか。むしろ,口蹄疫の発生状況についての政府・マスコミの報道により「不安」は生じるものでは?そして消費者としては,口蹄疫についてよく分からないうちは,その産地のものは避けておこうとするのはまっとうな行動であり,そのような行動の一助となるべく特定地域産のものではないことを示すのは,それ自体おかしなものとはいえないでしょう。

消費者庁も事業者への要望の一方,消費者団体等に対して,口蹄疫に関する情報について(PDF)という文書を発し,冷静な対応を呼びかけています。

ところで,このような消費者庁の一連の文書発付を見た限りでは,その目的は,危ないかもしれないなものを回避しようとする消費者の利益よりも,事業者(宮崎県の畜産業者等)が風評被害に遭わないようにすることを図ることにその主眼があるように見えます。

つまり,消費者保護というよりはむしろ,宮崎県産牛肉の関連業者がg競争上不当に不利にならないようにという点に主眼があるもので,景品表示法が独占禁止法の特別法であることから見ればそのようなねらいはわかる(公正な競争を確保するということになるから)のですが,消費者保護という観点からはどうなのかなあという疑問もまた残るところです。

法曹を法科大学院の道連れにしないために2010年05月30日

大学入試センターでの法科大学院適性試験受験者の数が激減しているようですね。

平成22年度法科大学院適性試験の志願者数(確定)について(PDF)

来年から実施しなくなるような機関では受けてもしょうがないと考える人の存在を考えると,日弁連法務研究財団実施分の志願者数も併せて考える必要があるとは思います。

もっとも,法科大学院に魅力がなくなっていることは確かでしょうね。

今年の志願者減については,来年から司法試験予備試験が始まることへの期待(からの受け控え)もかなりあるように思います。そうであるからこそ法科大学院は予備試験合格者数の絞り込み(名目上は,予備試験合格水準の高水準での設定)に躍起になっているんでしょうが(悲しいことに,少なくとも今年3月までの日弁連執行部も同様でした・・),2~3年間の時間的・金銭的拘束を受けたその果てが就職難,生活難では,予備試験ルートを志望する人が増え,そちらをむしろ主流ルートとするのが本道というものでしょう。

法科大学院志望者減がそのまま法曹志望者減へと直結しないよう,最終的には法科大学院修了を司法試験受験資格としない途を進めるべきですが,当座は,司法試験予備試験を経て合格するルートをある程度(1000人くらい)確保し,よけいな負担無く法曹になれる途を確保してあげるようにすべきではないでしょうか。

給費制維持を唱えるのであれば,法科大学院に特殊な地位を与えることをとりやめ,その分補助金を削減することを唱える方が,財政負担減少を望む「市民の理解と支持」も得られやすいと思うのですが。