法曹の養成に関するフォーラム事務局からのアンケートが来たが2011年05月16日

法曹の養成に関するフォーラム(PDF)事務局から,司法修習終了後の経済的な状況に関する調査についての調査票が送られてきました。

日弁連の宇都宮会長名の協力依頼書も添えられています。

調査票は,(1)収入・所得調査票と,(2)奨学金等調査票の2種類があるようで,(1)の収入・所得調査票は司法修習終了後15年以内(48~新62期)の弁護士,(2)の奨学金等調査票は,新司法修習を終了した判事補・検事・弁護士と,新司法試験に合格した司法修習生に送られているようです。

修習終了後の未登録者が増えている現状からすれば,当該未登録者に対してもアンケートを取るべきように思うのですが,そこまでは難しいということなのでしょうか。

(1)のアンケートでは,修習期,性別,年齢,扶養家族,所属先の種別・規模並びに所属先の所在地と,最近5年分(5年内に弁護士になった人は弁護士になって以後の収入・所得)が問われています。

この数年の収入・所得の推移を振り返るのもぞっとしますが,給与制維持のために役立つのであればアンケートに協力しようとは思います。しかし,司法修習についての給与制の可否は,修習を受けさせるという形で強制的に時間的拘束を加えることを,何らの見返り無くして行うことがいいのかどうかという問題であり,修習生が修習時ないしその後におかれる経済的状況によって決せられるべき問題ではないと思うので(その意味では,「給費制」ではなく「給与制」継続の問題と言うべき),修習生や修習修了者の経済的状況を調べる必要性自体,疑問なんですよね。

(2)のアンケートについては詳しい内容はわかりませんが,新司法試験合格者(現在のところは全員,法科大学院修了者)についてわざわざ聞く以上,このような奨学金の負担を生む法科大学院制度の可否にまで踏み込んで議論してほしいものです(フォーラムの趣旨に「司法制度改革の理念を踏まえるとともに」となっているので期待薄ですが。)。