副検事が地裁支部に行くことについての疑問は出ないの?2008年01月29日

副検事が特急を乗り過ごしたあげく,停車してもらった話ですが,この副検事,長野「地裁」松本支部の法廷に何のために行く予定だったのですかね。

http://news.www.infoseek.co.jp/topics/society/n_jr_east__20080128_2/story/28kyodo2008012801000328/(共同通信)

副検事は本来,区検察庁の検察官の職のみに就けるものとされ(検察庁法16条2項),区検察庁は簡易裁判所に対応して置かれるものですから(同法2条1項),問題の副検事もそもそも簡裁管轄の事件の公判立会しかできないはずです。したがって,そもそも地裁に行く必要があるのか?という疑問がわきます。

ところが,現実には,検察官事務取扱という形で,一部の地裁管轄事件について捜査や公判立会に従事しているようなのです。

副検事関係資料(PDF)

副検事は,主として,同法(注:検察庁法)第18条第2項に基づき,3年以上一定の要件を満たす検察事務官等の政令で定める公務員の職にあった者で政令で定める審査会(検察官・公証人特別任用等審査会)の選考を経た者の中から任命され,区検察庁の検察官のみにこれを補することとされている(同法第16条第2項)。具体的には,窃盗,横領など,区検察庁に対応する簡易裁判所管轄に係る事件(裁判所法第33条参照)の捜査・公判に従事するほか,地方検察庁検察官事務取扱として,詐欺,業務上横領,覚せい剤取締法違反等の地方裁判所管轄に係る事件の捜査・公判にも従事している。

これって違法か,脱法行為では?こんな脱法行為に走る検察庁って,どこが公益の代表の集まりかと思います。

公判立会では独立した判断に基づく対応を求められることも多いでしょうに,それが司法試験に合格せず,司法修習も経験していない副検事に任せられていいのか?という疑念はぬぐえません。

ちなみに法務省は厚顔にも,上記資料などを基に,副検事が現実に捜査や公判立会に関与していることを理由に,副検事にも弁護士の資格を与えることを求めてきたのです。

脱法行為を積み重ねて既成事実にして,その既成事実を根拠に新たな権益を得ようとした法務省・検察庁の態度にはあきれるしかありません。

ところで,今回電車を止めることに同意した東日本旅客鉄道ですが,間接的に脱法行為に協力したことになります。

まあ,この点で検察庁からおとがめが東日本旅客鉄道に来ることは無いでしょうけどね。

コメント

_ h ― 2008年01月30日 22時03分05秒

もっとも,裁判所に行くと「検察官事務取扱裁判官」みたいな人が法壇でにらみをきかせているのが,トホホな現状だったりしますが。

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。

名前:
メールアドレス:
URL:
次の質問に答えてください:
三権分立といった場合の三権とは,立法,行政と何?(答:司法)

コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://nomura.asablo.jp/blog/2008/01/29/2587274/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。