新司法試験と法科大学院教育の「連携」って?2008年12月17日

日弁連新聞2008年12月号に,新司法試験シンポジウムの報告が載っていました。

この中で,古口章法科大学院センター委員長の基調報告について,「短答式試験について,問題量が多すぎて未修者にとって大きな負担となっていること,また,論文式試験について,短答合格者の最終合格率で未修者が既習者に比べ14%も低くなっており,この差は重く受け止められるべきであること,対応策として採点基準の公表や出題趣旨の詳細化など適切な情報提供の必要性を指摘した。」と触れられています。

「重く受け止められるべき」というのは,法科大学院関係者にとってかと思ったら,対応策として掲げられているのはいずれも新司法試験についての事柄で,要は新司法試験の試験内容や実施方法について,未修者がより受かりやすくなるようにしろっていうことなんですよね。

また,法科大学院教授等6名によるパネルディスカッションでは,「未修者が3年で合格できる試験内容になっているかを検証する必要があるだろう」って,現実の法科大学院の教育内容に合わせて司法試験のレベルを決めろって言うんでしょうか。法科大学院関係者って自省という言葉を知らないんですかね・・・。

新司法試験のあり方で,受験生に配慮して直すべき点があるとすれば,合格者からの報告の中で触れられているように,三振制の廃止がまず挙げられるべきもののように思います。さらに,法科大学院を経なくとも受験できるように,予備試験合格者数の一定数の確保,さらには法科大学院修了を受験資格としない方向で法改正を図っていくべきではないでしょうか(三振制の廃止も法改正が必要ですから,実際には同時に法改正をすることになっていくのでしょうが)。