改憲論の真相が暴露されたからでは? ― 2008年04月08日
憲法改正「反対」43%、「賛成」を上回る…読売世論調査(YOMIURI ONLINE)
読売新聞社が実施した憲法に関する全国世論調査(面接方式)によると、今の憲法を改正する方がよいと思う人は42・5%、改正しない方がよいと思う人は43・1%で、わずかながら非改正派が改正派を上回った。
ただ、各政党が憲法議論をさらに活発化させるべきだと思う人は71%に上り、改めたり加えたりした方が良いと思う条文を挙げた人も7割を超えた。施行61年を迎える憲法に、時代にそぐわない部分が増えているとの認識は根強いようだ。
調査は3月15、16日に年間連続調査「日本人」の一環として行った。
1981年から実施している「憲法」世論調査では93年以降、一貫して改正派が非改正派を上回っていた。しかし、今回は改正派が昨年より3・7ポイント減る一方、非改正派が4・0ポイント増え、これが逆転した。憲法改正に強い意欲を示した安倍前首相の突然の退陣や、ねじれ国会での政治の停滞へのいらだちなどが影響したと見られる。
これまでずっと多数派だった改正派を非改正派が上回ったということは,憲法を変えることの意味(危険性)に国民が注意し始めたということではないでしょうか。
読売は,改正派の減少と非改正派の増加の原因について
憲法改正に強い意欲を示した安倍前首相の突然の退陣や、ねじれ国会での政治の停滞へのいらだちなど
と分析していますが,解せません。改憲論を唱えた安倍首相の体たらく振りをぶりを見て,彼の唱える改憲論がやばいものであることが広く認識されるに至ったということでしょうか。それならばこの部分は分からなくもありません。
しかし,政治の停滞へのいらだちについては,閉塞感打破のために改憲を!という声を強める要因にはなれ,改憲論を収縮させるものとは思えません。読売も旧年来の主張である自主憲法制定が国民の支持を得られなくなりつつあると感じてやけになっているのでしょうか。
改正派にその理由を複数回答で聞いたところ、「国際貢献など今の憲法では対応できない新たな問題が生じているから」の45%が最も多かった。非改正派では「世界に誇る平和憲法だから」が53%で最多だった。
改憲の争点が9条にあることははっきりしてきたのではないでしょうか。環境権の規定がないとかいうのはまやかしであると見抜かれてきたのでしょう。
憲法で関心のある点(複数回答)では「戦争放棄、自衛隊の問題」が47%で7年連続で最多となった。昨年との比較では「裁判の問題」が20%(昨年15%)に増え、裁判員制度への関心の高まりをうかがわせた。
自衛隊の海外派遣全般に関する原則を定める恒久法を必要と思う人は46%で、「そうは思わない」42%を上回った。9条を今後どうするかについては「これまで通り、解釈や運用で対応する」36%、「解釈や運用で対応するのは限界なので、改正する」31%、「厳密に守り、解釈や運用では対応しない」24%となった。
上記のように争点がはっきりと認識されてきた中で,9条は変えないという意見が58%と過半数に達していることも注目すべき点でしょう。
こうした世論が本当にきちんと反映される仕組みになっているのか,改憲の方向に煽られたりしないのか,改憲投票法についてはそのような観点から,廃止も視野に据えた抜本的見直しが必要でしょう。
コメント
_ h ― 2008年04月08日 22時00分11秒
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だって「読売新聞」ですものw。
「審議を尽くせ」「議論を進めろ」という中には議論を進めた結果「弄憲」はやめるという選択はないし,与党案を排斥するという選択もない。要するに「賛成しろ」っていっているのと同じですからね。
(弄憲=憲法をいじり回すこと)