四川省も大変だけどミャンマー(ビルマ)も忘れないで ― 2008年05月13日
中国の四川省で発生した地震は大変な被害になりそうですが,その陰でニュース量が少なくなっているミャンマー(ビルマ)のこともお忘れ無く・・ということで,管理人が関わっているNGOの緊急救援事業のお知らせです。
-----以下転載----
◆◆ミャンマー・サイクロン(台風)被害 緊急救援事業Vol.1◆◆~ 救援活動を開始します! ~
2008年5月9日発行
社団法人 シャンティ国際ボランティア会(SVA)
▽本リリースの印刷用PDFファイル
http://sva.or.jp/eru/myanmar/images/myan20080509-1.pdf
▽ミャンマー・サイクロン(台風)被害 緊急救援事業ホームページ
ミャンマー(ビルマ)中・南部を2008年5月2日から3日にかけて直撃したサイクロン「ナルギス」による被害に対して、(社)シャンティ国際ボランティア会(SVA)は緊急救援活動を開始します。
今回のサイクロンの被害規模は、死者2万3千名・行方不明者4万2千名とマスコミが、報じているほど甚大です(5月9日現在)。インド洋で発生する「サイクロン」はしばしばベンガル湾沿岸に大被害をもたらしており、ミャンマー(ビルマ)としては今回が史上最悪の被害となりました。
当会はサイクロン発生直後より、事業地であるタイ国内のミャンマー(ビルマ)難民キャンプおよびミャンマー(ビルマ)人のネットワークを通じて情報収集を行っておりました。
この度、被災規模の大きさを考慮し、救援活動を開始いたします。
▽被災地の様子(ロイターHP) http://jp.reuters.com/news/pictures/slideshow?collectionId=1827&galleryName=All%20Collections#a=1
同国は「軍事政権下」にあるために、事前の調査活動や緊急救援事業実施においては、どこまで自由に国内移動が出来るのか、または、どこまで効率的な活動が行えるかについては不透明な部分もあります。しかし、当会は、タイ国境の難民キャンプにおいて「ミャンマー(ビルマ)難民事業」を継続してきた地の利と、ネットワークを活かした緊急救援活動を検討しており、被災地では、現地住民組織と協力し、以下のような救援活動を実施する予定です。
◆緊急物資の配布事業 ※状況に応じて変更の可能性があります。
・被害の甚大な南部「イラワディ管区」を中心に、ミャンマー政府の支援が届かない人々を対象に生活支援物資(水・食糧とテント等)を配布する。
◆募金受付を開始いたしました◆
年末に発生したバングラデシュ・サイクロン復興支援事業では、多くの皆さまにお力添えいただきましたが、今回の未曾有の災害に際しても一人でも多くの被災者の支えとなるべく努めていきたいと思います。改めて皆様にご支援をお願い申し上げます。
■募金受付の郵便振替口座■
加入者名:社団法人シャンティ国際ボランティア会
口座番号:00150-9-61724
※通信欄に「ミャンマー・サイクロン」とご記入ください
※郵便局からの振り込み手数料は免除されます
■本件に関するお問い合わせ■
(社)シャンティ国際ボランティア会(SVA)東京事務所
緊急救援担当:白鳥
〒160-0015 東京都新宿区大京町31慈母会館2・3F
TEL:03-5360-1233
FAX:03-5360-1220
E-mail:eru@sva.or.jp(小文字にしてください)
◇シャンティ国際ボランティア会とは?
「シャンティ」はサンスクリット語で平和と寂静を意味します。
1981年、タイのカンボジア難民キャンプで活動をスタートし、現在はタイ、ラオス、カンボジア、アフガニスタン、タイ国内のミャンマー(ビルマ)難民キャンプに事務所をおき、子どもの教育、文化の支援活動に取り組んでいるNGOです。国内外の災害救援、復興支援活動も行っています。
1999年に社団法人となり、特定公益増進法人として外務省より認可されています。
----転載終わり----
SVAのサイクロン被害救援活動についてその2 ― 2008年05月13日
前記事の続きです。
SVAからのプレスリリース第2号が出たので転載します。
なお,SVAでは昨年末のバングラディシュのサイクロン被害に対する緊急救援活動も行っていますので,そちらへの支援もお願いします。
◆◆ミャンマー(ビルマ)・サイクロン(台風)被害 緊急救援事業Vol.2◆◆~救援活動を開始!~
2008年5月12日発行
社団法人 シャンティ国際ボランティア会(SVA)
▽本リリースの印刷用PDFファイル
http://sva.or.jp/eru/myanmar/images/myan20080512.pdf
▽ミャンマー(ビルマ)・サイクロン被害 緊急救援事業ホームページ
今回のサイクロンの被害は、5月11日の国連(OCHA)の推計によると、死者10万2千人、行方不明者22万人という可能性が発表されました。多くの方が亡くなっただけでなく、この瞬間にも被災地では人々が路頭に迷っています。SVAでは緊急救援物資を被災者へ届けるべく活動を開始いたしました。
◆被災地の状況◆
本日12日現在、SVAの元には現地の状況が伝わって来ています。
犠牲者の多くはミャンマー(ビルマ)南部の「エヤワディ管区」などの海岸線や中州地帯に集中しています。水辺で暮らしていた多くの方が犠牲となりました。今も泥水の中に、たくさんの子どもたちの遺体が浮いているのが被災地の真の姿です。
生き延びた方々も厳しい環境にいます。強風や濁流により家を失った人々は、190万人を超えるとも伝えられています。多くの方は、近所のお寺や学校に身を寄せていますが、水や食料が足りないという事、また衛生環境が悪化する中で、医薬品が足りていないために感染症や伝染病が蔓延する事などが心配されています。
▽家屋を失い仮の小屋に身を寄せる家族 (Photo:DKT) http://sva.or.jp/eru/myanmar/images/20080512-1.jpg
◆SVAの救援活動◆
現在当会では、緊急救援物資の配布を計画しています。不足している水や食料、医薬品の他に仮住まいを作るための資材なども検討しています。
当会では、タイ・ミャンマー(ビルマ)国境の難民キャンプでの活動を続けてきた強みを生かして、現地のNGOや国際仏教団体などと調整を始めており、これらの組織を通じて、ミャンマー(ビルマ)国内の住民組織と協力を図っています。
政府の支援が届かない人々を対象に、被災地内で緊急救援物資を直接配布する事を計画しております。
▽浸水した屋内に避難する村人たち (Photo:DKT)
http://sva.or.jp/eru/myanmar/images/20080512-2.jpg
◆募金受付を開始いたしました◆
今回の未曾有の災害に際して一人でも多くの被災者の支えとなるべく努めていきたいと思います。皆様にご支援をお願い申し上げます。
■募金受付の郵便振替口座■
加入者名:社団法人シャンティ国際ボランティア会
口座番号:00150-9-61724
※通信欄に「ミャンマー・サイクロン」とご記入ください
※郵便局からの振り込み手数料は免除されます
※特定公益増進法人への寄付として、所得税及び法人税の優遇措置があります
■お問い合わせ■
(社)シャンティ国際ボランティア会(SVA)東京事務所
緊急救援担当:白鳥
〒160-0015 東京都新宿区大京町31慈母会館2・3F
TEL:03-5360-1233
FAX:03-5360-1220
E-mail:eru@sva.go.jp(小文字に直してください。)
国民の負担を前提に弁護士にも負担を負えと? ― 2008年05月21日
読売新聞が,裁判員制度に対する弁護士会の対応振りを取り上げています。
紙面では,「報酬増,複数選任がカギ」という記事が33面に載っていました。当該記事では,弁護士不足の問題について,
今後,国選弁護人の報酬増額と複数選任がどの程度まで実現するかが,一つの焦点になりそうだ。
という認識を記しており,この点は,裁判員制度自体の可否や,司法支援センターに国選弁護人推薦権があることの問題点を除けばまあ穏当なものでしょう。
しかしながら,最後に
ただ,裁判員制度では,仕事を休んで参加するなど国民も負担を強いられる。弁護士一人ひとりに,ある程度の負担をいとわずに新たな裁判を担う意識改革が求められる。
としているのには,脱力感を感じざるを得ません。
国民が負担を強いられること自体の問題性には目を瞑り,その国民の負担を前提に弁護士にも負担を求めるという論理には,あきれるばかりです。
なお,上記読売の紙面では,上記記事の反対側に但木検事総長,大谷最高裁事務総長,宮崎日弁連会長の裁判員制度についての鼎談が,また,弁護士不足のコラムの横には連日開廷実施している裁判官の記事が載っており,全体として裁判員制度に対する賛美に満ちた記載となっています。まるで,パブリシティ記事ではないかと疑ってしまうほどに。
本気で推進する気がないのでは? ― 2008年05月22日
相変わらずですなあ。
鳩山法相が「IT法廷」視察…「機械ばかり頼るな」注文も(YOMIURI ONLINE)
裁判員制度の施行日までちょうど1年となった21日、鳩山法相が東京地裁を訪れ、裁判員に分かりやすい審理のために大小のテレビモニターなどを導入した「IT法廷」を視察した。
(中略)
自ら裁判員席にも座り、「ここで法廷を見渡す裁判員にはすごく緊張感があるだろう。その経験を通じて司法制度や犯罪に興味を持てば、それは最高の法教育になり、治安の改善にも役立つ気がする」と制度の意義を語っていた。
(2008年5月21日13時22分 読売新聞)
国民に他人の人生を決める重大な選択をさせることについて「最高の法教育」などと正当化するとは。物事を学ぶ機会を与えてやっているのだという上から目線のトンデモ発言であり,国民の反発を高める効果しかないような発言のように思います。法相や法務省の本音が出たということなのでしょうか。そうだとすれば,裁判員制度はやはり被告人のためのものではないことが一層明らかになったものであり,弁護士としては反対すべきもののように思うのですが・・・。
まあ,鳩山法相も政治家ですから,発言については何らかの意図があって行っていると見るべきかもしれません。そうすると,このように国民の反発を買いかねない発言をすることによって,裁判員制度に対する反発を高め,制度導入を困難にすることを狙ったのかもしれませんね。だからといってこの法相発言が非難を免れるものではありませんが。
キャラ代に予算消化するより国選弁護費用に回してほしい ― 2008年05月24日
各地方ごとに割り当てられた予算を消化するために作ったとしか思えません・・・。
今日は事件がないのか,事務所に置かれていた夕刊のトップに載っていました。
全国の検察庁や裁判所、弁護士会が来年5月に始まる裁判員制度に向け、計60を超すマスコットキャラクターを独自に考案して、広報イベントやポスターに登場させている。
法律家の堅いイメージからの脱皮に懸命だが、PRの専門家は「裁判員制度に結びつかないキャラクターも多く、国民の理解につながらないのでは」と首をかしげている。
(中略)
キャラクターに最も熱心なのは検察庁。落花生をモチーフにした「らっか正義君」(千葉地検)、新選組の隊士に似せた「まこと君!」(京都地検)など、40の地検・高検で計60のキャラクターが「乱立」する。
イチゴの形の「べりぃちゃん」(宇都宮地検)、「浪花のたこべぇ」(大阪地検)などは特産品の宣伝と間違えそう。「わらなっちゃん」(水戸地検)は「納豆のように粘り気があり、裁判で議論したら納得するまで引かない」、雪だるまの「ユーキー」(札幌地検)は「YOU KEYという英語で、裁判員制度はあなたが鍵という意味を込めた」というが、果たしてどこまで真意が伝わるか。
千葉地裁は地検に対抗するように、落花生に法服を着せた「ピー太くん」「ナツ実ちゃん」を登場させた。長野地裁もライチョウの「トライくん」「ライムちゃん」を携帯電話のストラップにして配っている。
何でこんなところに地方分権を及ぼさなければならないのか疑問ですね。各地検,地裁に割り当てられた裁判員制度広報予算の消化のために作ったとしか思えません。そんな金があったら国選弁護の報酬に回してほしいと思います。もっとも,私は,司法支援センターとの契約を拒否しているので国選弁護はやれませんが・・。
でも,弁護士会もキャラクター制定を非難できないんですよね。下記のように,日弁連自らキャラクターを公募したくらいですから・・・。
一方、日本弁護士連合会は今月21日、統一キャラクターとして、サイにてんびんを持たせたデザインの「サイサイ」を発表。「信念を曲げない強さでサイ判員制度に臨む」(広報室)と説明する。
サイサイのデザインはこちら(PDF)の日弁連のサイトに掲載されています。賞金の原資って私たちの会費なんですよね。ハァ・・・。
紙面に掲げられているキャラクターを見ると,法曹三者に本当に裁判員制度をまじめに推進しようとする気があるのか疑問を感じますし,広告代理店やクリエイターの食い物にされているだけではないかという気がします。まあ,制度の痛さをキャラクターの痛さに反映させているという点では,ある意味広報物として成功しているのかもしれず,その意味ではいい仕事だといえるかもしれませんが。
追記(6/4):「サイバンインコ」が全国統一キャラに昇格したようですね。法相絶賛 サイバンインコ、統一キャラに“昇格” 裁判員制度PR(MSN産経ニュース)
サイバンインコを採用していたのは福岡高検ですが,福岡って法相の選挙区なんですよね・・・。まあ,地元の高検にこんなことで媚を売ったからといって得票率が上がるとも思えませんから,選挙対策などではないんでしょうが。

最近のコメント