裁判員法施行2周年に際しての日弁連会長談話について ― 2011年05月23日
日弁連が裁判員法施行2周年を受けて会長談話を出していますね。
最高裁が公表したアンケート結果によると、制度施行二年目も、95パーセントを超える裁判員経験者が、裁判に参加したことについて「よい経験と感じた」と回答しました。また、「審理内容は理解しやすかった」と回答した経験者も60パーセントを超えました。制度施行二年目も、制度の運用が順調に推移しているといえます。
数値を出すのであれば以下の点を指摘しないと公平さに欠けるでしょう。
裁判員 「義務でも嫌」4割(東京新聞)
「裁判員として刑事裁判に参加したいか」との問いに対し、「義務であっても参加したくない」と答えた割合は41・4%。昨年の調査より5・1ポイント増え、制度開始前の二〇〇八年に約一万人に行った同種調査も上回った。「あまり参加したくないが、義務であれば参加せざるを得ない」を合わせると、後ろ向きな回答は84%(昨年80・2%)に拡大した。
裁判員として刑事裁判に参加したいかという問に対して,「義務であっても参加したくない」と答えた割合は増え,参加に後ろ向きな回答は84%にまで達しています。この割合は裁判員制度が施行されてから減ったのではなく,増えているのです。これは
制度施行二年目も、制度の運用が順調に推移しているといえます。
などとは,到底呼べるものではないでしょう。
しかも,「審理内容が理解しやすかった」と回答している人の割合が60%を超えたと日弁連は評価していますが,これも,昨年の70.9%から減っているのです。
8割の人がイヤだと言っている制度,しかも審理内容が理解しやすかったという人が減っている現状。これを「運用が順調」などと呼ぶとは,日弁連もメチャクチャですね。
弁護士激増問題には市民の目が大切などと言っていることとのバランスが全く取れていないようにも思います。
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