精通弁護士 ― 2006年07月15日
日本司法支援センター(法テラス)の業務として,犯罪被害者等の支援があるのですが,被害者等の援助に精通している弁護士を指す際の略称として使われていました(日弁連新聞犯罪被害者支援ニュース)。
会話の中で突然出てくると一瞬面食らう単語ですね。 文章中に断り書きがあれば,文脈から何に「精通」しているのかが分かるのでよいのですが・・。
略称に多義語を使う時は気をつけた方がよいように思います。
追記
2005年の段階で日弁連では用いられていた言葉なのですね。しかも対外的説明の書面で注書き無く・・
「平成 17 年 6 月 28 日 第5回犯罪被害者検討会・意見メモ(PDFファイル)
4 現時点における活動状況
(4)日弁連から各単位会への要請
H17.5.31付 精通弁護士の要請と名簿作成を呼びかけ
ボツネタのコメント欄でも取り上げられていたようですね(2006年3月13日付)。妙な業界用語を作るのはやめてほしいものです・・。
最高検:供述調書に容疑者らの割り印指示 ミス相次ぎ ― 2006年07月15日
武内先生のブログ(Heimweh nach der Zukunft)経由で知りました。
最高検:供述調書に容疑者らの割り印指示 ミス相次ぎ(MSN毎日インタラクティブ)
全国の検事や警察官が作成した容疑者や参考人の供述調書に、訂正前の誤った調書が訂正後のものと一緒にとじ込まれていたり、ページ数が連続していないなど、ミスが相次いでいることが分かった。法廷で弁護側から「容疑者の知らない間に、一部分をねつ造したのではないか」と追及された事件もあり、事態を重視した最高検察庁は、調書の全ページに、各ページをまたぐ形で、容疑者らの割り印を求めるよう、全国の各地検に指示した模様だ。
実施すると、在宅の容疑者や参考人の場合は印鑑で済むが、逮捕・拘置中の容疑者の場合、取調室に印鑑を持ち込めない規則になっていることから、指印を求めざるを得ない。このため複雑な事件の場合、調書は数百ページに及び、そのすべてに指印を押させることについて、第一線の現場からは「容疑者との信頼関係が崩れ捜査に支障が生じる」との反対論が出ていた。
逮捕・勾留中の被疑者についても取調室に印鑑を持ち込ませるように規則を改定できないんですかねぇ。逮捕したら指印取り放題などという考えで物事を進めること自体見直すべきように思うのですが。
「第一線の現場」の人たちのいう「容疑者との信頼関係」って何なのでしょうか,自白を取って,調書に署名指印を得るのに苦労するのに,更に割印まで求めるというのでは作業量が増えて堪らないという悲鳴なんでしょうが,自白の獲得に汲々とする捜査方法自体改められるべきものではないでしょうか。
最高検の方針によって,調書を取ることのコストと,他の証拠により立証することのコストについて,今後,前者が増大することとなり,それがひいては後者を中心とした捜査,立証が多くなっていくことにつながるのでしょうか(それがいいかどうかというのは一概にいえません。)。
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