TBC個人情報流出事件~判決が弁護団サイトにアップされました ― 2007年02月13日
エステティックTBCの顧客情報漏洩、一人当たり3万5000円の賠償金(PC online)
東京地方裁判所は2007年2月8日、2002年5月に発覚したエステティック大手のTBCによる個人情報流出に関して、被害者14名が一人当たり115万円の損害賠償を求めていた民事裁判の判決を下した。判決では、TBCの運営会社であるコミー(当時)に対して、原告13名にそれぞれ3万5000円、1名に2万2000円の賠償金を支払うように命じた。
2002年5月26日、TBCのWebサイトにおいて、同サイトで実施したアンケートデータや、資料請求のために入力したデータなど、およそ5万人分のデータが外部から閲覧できる状態になっていたことが明らかになった。流出データが悪用されて、迷惑メールが送られてくるといった二次被害も確認されている。
訴訟でTBC側は,損害額のみならず責任の所在や,情報流出と二次被害(迷惑メール,迷惑電話等)との間の因果関係についても争っていましたが,責任(使用者責任),情報流出と二次被害の因果関係ともに認められています。特に使用者責任についての認定は非常に丁寧になされています。
損害額についての評価や,これまでの大量流出事件との比較については,弁護団のページや弁護団長の紀藤弁護士のページに詳しく述べられているのが参考になります。
サッポロとアサヒ,資本提携の動き ― 2007年02月19日
同業他社に資本提携を持ちかけるとは・・・。
ビール業界,今でこそ激しく競争していますが,昔は価格の同調的引上げの常習犯で,しかも小売店での価格が各社均一だったことから,公取から希望小売価格が目安にすぎないことを小売店に周知徹底するよう申し渡されたこともあるところです。
アサヒビール自体,ビール業界で大きなシェアを占めており,これが業界3位のサッポロビールと資本提携すると,市場の寡占度はさらに高まることになります。
資本提携がどのような形でなされるのか分かりませんが,競争を実質的に制限するものとして,公取の排除措置の対象となる可能性も強いと思います。
個人的嗜好としては,アサヒビールで売れ筋のDは好きでなく,それならばまだサッポロのKの方が数段よいと思っているので,資本統合で製品統合などという事態には絶対になってほしくないものです。
「体外受精せず廃棄する卵子」? ― 2007年02月20日
理化学研究所の研究チームが、体外受精できなかったマウスの卵子を使い、胚(はい)性幹細胞(ES細胞)を効率よく作り出すことに成功した。体外受精に失敗した卵子は通常捨てられるが、研究チームはこれにマウスの体細胞の核を移植し、クローン胚からES細胞を作った。クローン胚由来のES細胞を、新鮮な卵子を使わずに作り出す方法として注目を集めそうだ。19日付の米科学誌「カレント・バイオロジー」に発表した。
ヒトクローン胚からのES細胞が実現すれば、患者と同じ遺伝情報を持つ器官や組織を作ることができ、難病治療につながると期待されているが、胚を作るための新鮮な卵子の入手方法が課題になっている。研究チームの若山照彦・ゲノム・リプログラミング研究チームリーダーは「体外受精しなかった卵子がES細胞作成に使えることが、ほ乳類で初めて確認できた。ヒトでも体外受精せず廃棄する卵子を使えるようになれば、健康な女性や不妊患者から卵子を新たに採取する必要がなくなるかもしれない」と話している。【永山悦子】
体外受精というのは,女性の身体に大きな負担を強いるものなのですから,「廃棄する卵子」なんて本来取り出してはならないものでしょう。
廃棄する卵子を作る目的で排卵を促進する薬が余計に使われるなんてことにならなければいいのですが。
研究目的で「新たに採取する必要がなくなる」からいいのだと単純に言えるものではないと思います。
最近のコメント