民主党代表選,どちらがよいか? ― 2009年05月15日
民主党の代表戦,討論会が行われたようですね。
岡田克也候補と鳩山由紀夫候補,出自になぞらえれば,
ジャスコボーイ vs 音羽三代目
ということになり,自民党下野時の所属政党からいうと,
新生党 vs 新党さきがけ
ということになります。
メディアの世論調査では岡田候補の方が人気が高く,そのことから,政権交代のためには岡田候補を代表にすべきとの声がネット界隈でも見られます。わたしも当初は岡田候補が代表になった方がよいと思いました。しかし,消費税増税をはっきりと打ち出した点や,前原元代表のグループが支持している点,岡田候補の顔つきが戦前の青年将校っぽい点から,鳩山候補の方がまだよいのではないかと考えるに至っています。
鳩山候補にも,改憲論者である点などひっかかる点はありますが,政局のために自らの信念を潜める柔軟さがまだありそうな気もしますし,代表になったらあの顔立ちと言動はいい味出していると言われ人気を博しそうな気もするのですがねえ。
ただ,もう1つひっかかるのは,鳩山候補は自らの選挙基盤が盤石とはいいがたいため,代表として選挙応援にかけめぐることができるのか?ということです。小沢前代表が行脚するということなのかもしれませんが,ほんとうに小沢前代表ってそんなに人気があるのでしょうか?
それにしても,民主党って,新自由主義的な役人批判論者は若手が出てきているのに,再分配などを重視する考え方の若手がなかなか台頭してきませんね(メディアには出てこないだけかもしれませんが・・)・・・。
裁判員制度~施行日が来ても凍結を諦めるのは早いのでは? ― 2009年05月20日
裁判員制度の施行日を明日に控え,裁判員制度を問い直す議員連盟が,裁判員制度の凍結法案提出を諦め,法改正をめざす方向に舵を切るようです。
裁判員制度に批判的な超党派の国会議員でつくる「裁判員制度を問い直す議員連盟」(代表世話人・亀井久興国民新党幹事長)は19日、国会内で役員会を開き、21日の制度開始を凍結する法案提出の断念を決めた。
議連は今後、裁判員が守秘義務に違反した場合の罰則の軽減などを盛り込んだ裁判員法改正案の提出を目指す。21日に国会内で総会を開き、正式に今後の活動方針を決定する。(共同)
明日から施行といっても,明日以降起訴される事件について裁判員裁判が行われるようになるということであり,裁判員による裁判が行われる事件については必ず公判前整理手続が開かれることとなっていますから,裁判員が出廷する公判が開かれるまでにはまだ間があります。とりあえず問題点が解決するまでは実施を凍結というのであれば,やはり凍結法(施行日をすぎたので施行停止法か?)の制定に向けた動きを進めるべきでしょう。
議連は法改正を目指すようですが,議連でかつて出された12の論点について全て解決できるような改正案を通すことができるというのでしょうか?被告人の選択権や,裁判員候補者の思想・信条を理由とした辞退,評議の多数決を全員一致とするといった「改正」がなされれば画期的ではありますが,そのような「改正」は制度趣旨(被告人のためではない,国民の規範意識の直截の反映)に反し,見込みが無い以上,制度自体の施行停止を行うしかないように思います。
というわけで,施行日は明日ですが,今晩,裁判員制度廃止に向けたデモに参加してきます。→こちら
裁判員制度施行日に ― 2009年05月21日
裁判員法が施行日を迎えた今朝の「めざましテレビ」に,裁判員制度推進の旗頭である四宮啓弁護士が出ていた。番組では裁判員制度に対する国民の反対論の根拠として,人を裁くことはイヤだというのが提示されていたのだが,それに対して四宮弁護士,人を裁くというのではなく,裁判がきちんと行われているか中に入って監視するのです,という。 また,裁判員となるのには権利としての側面がある,ともいう。
しかし判決内容を決める評議に加わるということ自体,人を裁くことそのものではないか。また,中に入って監視するのであれば,評決にかかわる必要はなく,評議を傍聴するだけでもいいはずだ。公判傍聴だけでもプレッシャーにはなるだろう。
また,権利としての側面があるというが,権利だったら行使しない自由があるはずなのに,裁判員に選任されたら原則として辞退できないし,出頭しないと刑事罰が科されるのだ。ごまかしもいい加減にしろと言わざるをえない。
その後の番組である「とくダネ!」では,高橋省吾元裁判官がインタビューで,死刑にするか無期懲役にするかといった量刑について,今までの基準ではなく市民が新たな基準を作るのだという話をしていた。この高橋元裁判官,番組では,無期懲役の一審判決を破棄して高裁で死刑判決を言い渡した裁判官として紹介されており,また,ググってみたところ,被告人に厳しい判決をする傾向のある人のようだった。この人が期待する新たな基準なるものがどのようなものかは言わずもがなであろう。もっとも,職業裁判官の裁判においても近時重罰化は進んでいるが,基準によるタガがはずれるということになれば,重罰化は更に進行することにならないだろうか。
また,新たな基準作りといっても,裁判員に選ばれた人が実際に行うのは,被告人が死を強制されるのか,それともどの程度の期間自由を奪われて拘禁されるのかを判断,決定するという作業である。人の一生,場合によっては生命の存否を左右する,そんな作業は気が重い,やりたくないという気持ちはごく自然なものである。
昨日の記事でも述べたが,実際に裁判員が参加して行われる公判が開かれるまでにはまだ時間がある。保坂展人議員のブログによれば,議員連盟では停止も視野に入れた法改正を今国会で成立させるべく動き出すという。裁判員の負担減にとどまらず,是非とも,最低限執行停止を勝ち取る方向でがんばっていただきたいと思う。
「神世界」に1億6千万円請求 「霊感商法で被害」と17人 ― 2009年05月25日
http://www.47news.jp/CN/200905/CN2009052501000602.html
ヒーリングサロンを装った有限会社「神世界」(山梨)グループの霊感商法事件で、「がんは治らない」などと不安をあおられ、祈願代などの名目で現金を詐取されたとして、サロンに通っていた横浜市の会社役員(46)ら17人が25日、神世界と関連会社の幹部ら25人に総額約1億6800万円の賠償を求め、東京地裁に提訴した。
「神世界」グループの実態については,「ヒーリングサロンによる被害」のページに詳しく記されています。
今回提訴した被害者の代理人となった弁護団のサイトはこちらです。
X JAPAN・TOSHIの会社などに賠償命令 啓発セミナーで ― 2009年05月28日
2年前に第一審判決について触れた事件の控訴審判決が出ました。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090528/trl0905281539007-n1.htm
自己啓発セミナーに参加した栃木県の女性(41)が「マインドコントロール状態にされて金銭を支払わされた」として、主催者の「ホームオブハート」や人気ロックグループ「X JAPAN」のボーカル、出山利三氏(TOSHI)が経営する会社「トシオフィス」などを相手に、計約2100万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が28日、東京高裁であった。大谷禎男裁判長は、女性に財産を違法に提供させたことを認めた1審東京地裁判決を支持、1580万円の支払いを命じた。
判決によると、女性は平成14年にホームオブハート主催のセミナーに参加。「セミナーをやめると地獄のような人生になる」と脅されたり、「異常、バケモノ」と長時間にわたって罵(ば)倒(とう)されたりして判断力を失い、参加費などの名目で約1400万円を支払った。
ホームオブハートらからの控訴が棄却された反面,被害者からの附帯控訴については一部認められ,賠償金額が増額されています。
同じく代理人紀藤弁護士のブログ
被害者のサイト→ホームオブハートとToshi問題を考える会
最近のコメント