臓器移植法「改正」~生命がネガティブ・オプションの対象になったが2009年07月14日

臓器移植法「改正」法が成立しましたね。

あらかじめ拒否の意思を示しておかない限り「脳死」の状態で臓器が摘出されることになったわけです。

これまでは生きていたとして扱われていた命が,あらかじめ拒絶の意思を示さないと奪われてしまうわけで,まさに命についてネガティブ・オプションの仕組みが導入されたと言えるでしょう。

このネガティブ・オプション,まさに人の生き死ににかかわるものですから,市民の生命に対する権利の保障を十全なものにするため,「脳死」状態での提供拒否の意思表示の仕組みを政府は周知徹底させるべきではないでしょうか。

今のままでは,「脳死」はまだ死ではないと考えている人が,提供拒否のためには拒絶の意思表示が必要であることをしらないまま「脳死」判定さらには臓器移植をされてしまうという事態が頻発するおそれがあります。これは生命に対する権利の重大な侵害であり,放置しておいてよいものではないでしょう。

コメント

_ h ― 2009年07月14日 15時15分55秒

あと,親の拒否権行使のシステムを圧力をかけて使わせないようにする輩への対策が必要ですね。ニッポンのムラビトたちは,陰湿なことをやらせたら一流ですから。

_ ノムラ ― 2009年07月15日 20時52分17秒

>hさん
>ニッポンのムラビトたちは,陰湿なことをやらせたら一流ですから。

今回の法案審議の過程でもキタナイ働きかけがなされたようですしね・・・。

http://archive.mag2.com/0000058959/20090620180000000.html(阿部知子議員のメールマガジン)

臓器移植の現場でどのようなことが行われてきたか,これまでの臓器提供事例の検証をするとともに,今後については親族の意思決定に至るまでの医師らとのやりとりの全面的可視化が不可欠なように思います。

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