裁判員裁判~無罪判決の成立過程は? ― 2010年06月23日
裁判員裁判で,初の無罪判決が出ましたね。
これを伝える読売(紙面)の昨日夕刊の記事だったか解説で,裁判官全員が無罪と言うと,全体では有罪であっても無罪とせざるを得ないということを問題であるかのように取り上げていました。
上記解説を読むと,今回の無罪判決が,職業裁判官全員が無罪と主張したゆえに無罪になったかのような印象を受けます。
仮にそうだとするならば,市民の常識の反映で無罪判決が得られたとは言えないのではないでしょうか。こうした点を検証するためにも,判決の根拠となる評決結果についても公開されるべきなのではないでしょうか(私は制度自体反対ですが)。
それにしても,判決後の記者会見での裁判員のコメント(毎日記事 )を見ると,
男性裁判員の一人は「検察に『もっと頑張れ』という気持ち。サッカーで言えば(弁護側の)守りがよかったのではなく(検察側の)攻めが弱かった」と努力不足を指摘した。
などと,捜査機関を応援する気持ちを持つ人が目立つようにも思います。しかもこの記事を書いた記者自体
今月9日には、強盗致傷、詐欺罪などに問われた被告の裁判員裁判で、東京地裁立川支部が一部無罪を言い渡している。共謀したとされる少年らの証言の信用性を否定し、裁判員からは「証拠がない」「警察、検察の捜査が甘かった」との指摘が相次いだ。
裁判員制度開始から1年が経過し、今後は被告が本格的に無罪主張する事件の審理も相次ぐ見込み。裁判員裁判は、捜査当局に改めて緻密(ちみつ)で説得力のある証拠収集と立証を求めている。
って,被告人を有罪にするよう頑張れと発破を掛けているように見えるのですが,ちょっと方向が違うのではないでしょうか。
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