愛煙家にHは無用~タクシー車内禁煙施行に際して2008年01月09日

東京都内のほとんどのタクシーが1月7日から禁煙になりましたね。

「どうしてもは車外で」東京・埼玉・福井でもタクシー禁煙

タクシー禁煙、東京や埼玉でもスタート

東京・埼玉でタクシーが禁煙に 都内は全体の95%

夜遅くに帰る時など使うことがあるので,車内が禁煙になってくれるのは大変嬉しく思います。

ところで,上記記事ではいずれも愛煙家ということばが使われているのですが,この用法には異議があります。

愛煙家って本当に煙を愛しているんでしょうか?

喫煙者が直接吸い込む煙よりも周りにはき出す煙の方が有害物質の量が遙かに大きいということを聞いたことがあります。

愛煙家というのであれば煙に対する愛を徹底していただき,タバコからでる煙をすべて体内に吸収し,少しも外に逃がすことのないようにしてほしいものです。

自分が吸い込むより多い有害物質を吐き出すなど,愛煙家というより排煙家(haienka)と呼ぶべき存在でしょう。いや,周囲が煙で濁ることを考えればバイエンカ(煤煙家)と呼んだ方がよいかもしれません。

煙を愛でているから愛煙家なのだという反論もあるでしょうが,愛でるにしても逃がさないようにするためにはやはり全部吸い込むしかないでしょう。

今では,煙が外に出ないタバコも,少し値段は張りますが存在します。ただ,以前煙を出さないタバコが大々的な宣伝つきで発売開始となった記憶はあるものの,そのようなタバコを吸っている人を未だ見かけたことがありません。

煙を出さないよう喫煙者の意識に訴えかけることが無駄なことがわかった以上は,法制度上,有害成分を含んだ煙を出すタバコの販売を一定の猶予期間の後に禁止することとし,猶予期間中にタバコ製造業者には,煙を出さない新製品の開発にいそしんでいただく。それしか喫煙者の方々に煙を満喫し,丸ごと愛していただく方法は無いでしょう。様々な分野で新製品が続々登場する今日,タバコだって形態に変化があってよいはずです。

喫煙者の人たちがHつき=排煙家でなく,真の「愛煙家」になる日が来ることを願ってやみません(「愛煙家」御自身が健康に配慮して禁煙するのが一番よいとは思いますが)。

マスメディアにも権力すり寄りと言われていますよ2008年01月09日

日弁連会長選が白熱 「合格者増」「裁判員」が争点asahi.com

全国に約2万5000人いる弁護士のトップを決める日本弁護士連合会の次期会長選が9日、公示された。

(中略)

今回の会長選が特に注目されているのは、司法試験合格者を2010年までに年間3000人に増やす政府計画に異論が相次いでいるからだ。

日弁連執行部は計画実現に向けて政府に歩調を合わせてきたが、弁護士の急増で新人の就職が厳しくなり、「質の低下」や「過当競争」も懸念されるようになってきた。中国地方弁護士会連合会や中部弁護士会連合会が計画の見直しを求めるなど、執行部は足元から揺さぶられている状況だ。

09年春にスタートが近づいた裁判員制度も争点の一つ。日弁連は最高裁や法務省とともに推進の立場で広報や準備を進めてきたが、「連日開廷は負担が大きく、被告の権利を害する恐れがある」「市民が制度参加に積極的でない」といった理由から、弁護士の一部には不満や批判もくすぶっている。

会長選は、現執行部のスタンスを基本的に継承する宮崎氏と、執行部を批判してきた高山氏が争う形になる。このため、当落の行方や、双方がどれだけ票を集めるかが、弁護士だけでなく、法務・検察や裁判所関係者の間でも注目されている。立候補の受け付け終了後は、候補者が並んで討論する公聴会が全国10カ所で開かれ、各陣営が支持を訴える予定だ。

マスメディアにも,日弁連執行部は「(司法試験合格者を年間3000名に増やすという)計画(の)実現に向けて政府に歩調を合わせてきた」,つまり権力に迎合してきたと認識されているんですね。裁判員制度についても「最高裁や法務省とともに推進の立場で広報や準備を進めてきた」と言われていますし。

それにしても,マスメディアにこれほどまでに取り上げられるとは,日弁連選挙も重大事象になったということなのか,重大事象であることがメディアにようやく認識されるに至ったというべきなのか。

ところで上記記事では,弁護士の言葉として引用しているであろう部分で「連日開廷は負担が大きく、被告の権利を害する恐れがある」って書かれていますが,弁護士が「被告人の権利」と言わずに「被告の権利」っていうことはまず考えられません。

記事全体のトーンは悪くないのですから,引用は正確にしていただきたいものです>朝日新聞